記事一覧

月・湖

ファイル 98-1.jpg

僕らは月を眺めていた

冷たい湖の遥か彼方を
満々とたまる蜜を

僕は思い出そうとしていた

暗がりにたたずむ蝋燭のように
じっと息をひそめて

そして何も変わることが無い

あの人の視線は
遥か月を射ぬいていくというのに
僕は湖に潜む月の方へと
ゆらゆらと沈んで行く