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「噴水」

ファイル 93-2.jpg

世界の奥に吹く風のように
噴水が聳えて行く
上でも下でもないところへと

その水を受けようとしても
そこに受け皿はなく
その戴きにかざそうとしても
そこにまなざしはない

(水はだれも見詰めていない
 純粋な斜視の中には
 血でねじ曲げた直線は通らない)

初夏の日差しが噴水を通って行く
恋する人の手をおずおずと探るように
日差しが木にその噂を伝えるとき
もうすでに、それは別の踊りへと跳躍している

僕らの目にはせわしげなその形も
頭上に輝く火神への憧れに身悶える
変わることの無い純粋な意志を
割られざるその中心に宿している

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